福島原発事故の(メルトダウン)ってなんですか?3-2

2.止まったのになぜ事故がおきたの?(フクシマから学ぶ12、13ページ)

1.冷やすことができなくて事故に

原発では発電が止まると、外から電気をもらって冷却ポンプを動かして原子炉を冷やさなくてはなりません。ところが、地震で電線の鉄塔が倒れて外から電気を送りこめなくなりました。そこで緊急用に施設内に設置してあったディーゼル発電機が動き出しましたが、これも一時間後の津波に襲われて使えなくなり、ついにすべての電源が失われました。

その結果、原子炉の冷却ができなくなり、原子炉内部の温度が上がりすぎて燃料がとけ、発生した水素が爆発して大量の放射性物資が飛び散る重大事故に進んだのです。

2.なぜ、止めた後に冷やす必要があるの?

しかし、なぜ、熱を発生する核分裂を止めることができたのに、冷やさなくてはならないのでしょうか?それは核分裂とは別のしくみによる熱が発生するからです。この熱を(崩壊熱)といいます。(フクシマから学ぶ13ページ図3)

核分裂のあとにできたものは長い間放射線を出し続け(破壊)するとも言いますが、その間も熱を出し続けます。これはが出す熱です。紙や木などが(燃えた)あとにできるものが(灰)ですが、核分裂反応も熱を出すので(燃える)といい、核分裂後にできるものは(灰)と呼びます。しかし、死の灰は木や紙が燃えた後にできる灰とはまったくちがいます。灰自身が熱を出し続けるのです。しかも、ふつうの灰ならば、まだ燃えきっていなくなって熱を出していても一度水を掛けると熱の発生は止まりますが、死の灰は水をかけても熱の発生は止まることなく、ずっと水をかけ、冷やし続けなければなりません。しかし、福島原発では破壊熱を冷やすための装置がすべてダメになり、その結果、原子炉内部の核燃料の温度がどんどん上がって、ついに(メルトダウン)や(水素爆発)が(水素爆発)が起きたのです。

死の灰、聞くだけでざわっとする言葉です。使い終わった灰がいつまでも熱を発するって考えつかないですがだから思い通りにコントロール出来ないんですね。やはり人間には扱いが難しいエネルギーだと再確認しました。

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