日別アーカイブ: 2023年6月8日

福島第一原発沖海洋調査

5回の延期が続きましたが何とか波も落ち着き沖に出れました。思っていた以上に緊張感があり仙台湾での調査とは雰囲気が違いました。お店を始めたころこの原発のすぐ横で波乗りしていた事を思うと考えさせられる景色でした。

私達が波乗りしていた頃は養殖所が丘の上にあり、車の出入りも厳しくなく車で根本まで行き、多分ですが原子炉を冷やした水の出口で波乗りしていたんだと思います。ゴーと大きな音とともに湯気が出るほど暖かい海水、真冬の波の無い時期にノーブ―ツ・ノーグローブで波乗りしていたのが25年前。あの頃からいろいろな噂がありましたが暖かさに負けて結構な頻度で通いました。

事故から12年、写真で確認出来るように撮影出来ませんでしたが処理水をためたタンクがもう敷地内にあふれんばかりの数でした。実際に作業を進めるには敷地を広く使いいろいろな方法を駆使して一年でも早く廃炉作業を進めたいのはだれもが理解できる現状だと思います。

誰もが思うように海上放出は認めたくない、いくら処理が済んだ水と言えども100%元通りでは無い水がこれから何十年も海に流されると思うだけで心が痛みます。いろいろな人の思いがあるのでどの意見も一概に良い悪いとは言い切れない問題です。ただ残念ですがここで発電された電気を直接使用することは無かったのですがここの電気を使って経済が動いて私達は何らかの恩恵を絶対に受けているはずです。他人事では無いと思います。

原子力発電は決して悪い事ばかりでは無い事も理解出来ます。石炭や石油を採掘するのに多くの事故が今でも沢山あります。車の事故と飛行機の事故の様に飛行機の事故は数が少ないですが起きれば必ず大惨事です。自動車事故はどうでしょうか?車を運転していれば常に見かけると思います。飛行機の事故で亡くなる方は車の事故の何十分の1ですが記憶には残ります。

原子力発電の事故はどうでしょうか。飛行機と同じです。毎日は起きませんがひとたび起きればそこに住めなくなるくらいの事故になります。世界中で何度となく原発事故が起きています。私達人間は過去の出来事と経験からしか学ぶことが出来ません。

日本は今大きなエネルギー問題の転換期に来ています。もう一度、皆さんで知恵を出し合って話し合いを重ねる時だと思います。