原子力発電はどのようにして電気を作る?(1-4)

原発製造がはじまったのは約80年前だそうです。核分裂のエネルギーを世界で初めて原発に利用したのは、1954年に旧ソビエト連邦が建造したオぷの発電所オニンクッスの発電所です。すぐにイギリスも原発をつくりました。核エネルギーを爆弾や兵器にだけ使用していたアメリカも対抗して、原子力潜水艦用に開発した原子炉を発電用に作り変えました。

(フクシマから学ぶ6ページ図6)世界で製造されてきた原発の原子炉にはいくつかの型がありますが、どれも核分裂反応の熱を利用する点ででは同じです。日本で最初に茨城県東海村に作った原子炉はイギリスから輸入した(コールダ―ボール型)と呼ばれ、天然ウランを燃料とする原子炉ですが、それ以外の商業用原子炉は全てアメリカから導入した(軽水炉)と呼ばれる型です。軽水炉は天然ウランではなく、ウラン235の割合を多くした(濃縮ウラン)を燃料にします。軽水炉には2種類あり、一つは東日本に多い(沸とう水型)で、もう一つが西日本に多い(加圧水型)です。事故を起こした福島第一原子力発電所の原子炉は(沸とう水型)です。これは炉心(原子炉の中心部分で核燃料を置く場所)通す水を沸とうさせて約280℃の高温水蒸気を作り、直接タービン’(羽)に送ります。これに対して加圧水型は、炉心に通す水(一次冷却水)を沸とうさせないように圧力を約160気圧に高くし、300℃ほどの高温の水に保ち、その熱で別の水(二次冷却水)を沸とうさせて水蒸気を作り、それをタービン’(羽)に送りこみます。炉心を通る水は放射能に汚染されるので、沸とう水型のほうはタービン’(羽)まで放射能に汚染された水蒸気が達します。(フクシマから学ぶ7ページ図7)

複雑なようで以外に簡単な仕掛けが軽水炉なんですね。大きなお風呂を熱い鉄の棒で沸かすイメージだと思います。

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